高知市周辺の石仏

 

1.西山観音寺跡 香南市夜須町西山785 

 

 国道55号線の北、両側が田圃の細い道を抜けて行く。最初は場所が分からず近くの方に伺う。入口に観音寺跡の石柱があり、中央に小さなお堂がある。その裏に十数基の石板が地べたに寝かされており、その脇にある石柱には「線彫地蔵(複製)」とある。本物はしかるべき場所に保管され、これはレプリカのようである。高知県内には太い線で刻まれた石仏や浮彫の石仏が多く見られ独特のものである。この中に文禄五年(1596)の年号が確認されている。

 


 

2.薬師堂 香南市香我美下分 

 

 香我美町役場の裏に広場があり、瓦屋根の小さな祠がある。扉を開けると中に西山観音寺跡と同じような地蔵石板が七基ほど重なっている。奥の方の石仏は重なっていて像容がはっきりしない。これらも浅くて太い線彫で地蔵を刻んである。彫りは輪郭のみで表情や衣紋の細かな表現はなく簡略化されている。

 


 

3.大日寺 香南市野市町母代寺476 

 

 真言宗智山派で四国八十八番霊場の28番札所。江戸時代は土佐藩の祈願所として栄えた。奥の院の爪彫薬師は弘法大師が楠の大木に薬師を彫ったといわれ奥の院に安置されている。首から上の病に霊験があり、願が叶うと穴の開いた石に氏名、年齢、快癒した身体の部位を書いて奉納する習わしという。この薬師堂のまえに写真の牛乗り薬師の石仏がある。「戌年六十三」の銘のみで造立時期は分からない。

 


 

4.国分寺 南国市国分546 

 

 永禄元年(1558)の鎌倉後期に長曾我部元親が再建した金堂はこけら葺きの屋根で情緒がある佇まい。平安時代『土佐日記』の紀貫之が国司として4年間滞在した国府が近くにあり、当時は政治・文化の中心だった。土佐から帰京する時は、時の住職も船出を見送ったという。歴史を感じさせる本堂の横にたくさんの墓塔を含めた石仏・石塔が並べられており、その中に一石二尊、三尊などがある。写真の一石六地蔵は山梨県にたくさんあるが他ではあまり見受けない。

 


 

5.竹林寺 高知市五台山3577 

 

 四国八十八番霊場の31番札所で五台山と号す。この五台山のいわれは聖武天皇が行基に、唐にある五台山に日本の中で似た場所に寺を建立するように命じた。そこで選ばれたのがこの地だったという。また「よさこい節」で歌われる“坊さんかんざし買うを見た”の僧と娘の恋物語の舞台がこの竹林寺。文殊菩薩が本尊でミニ四国八十八ケ所石仏に当寺の文殊菩薩の石仏もある。鎌倉初期の様式をもつ五重塔下に丸彫坐像の五智如来が配置され、その一部を掲載した。他に千体地蔵やインドのオリッサ州で作られたブッダの説法像などがある。

 


6.安楽寺 高知市洞が島町5-3 

 

 高知市の中心部、JR高知駅の西1kmにある。かつては高知市内に30番札所がこの安楽寺と善楽寺の二か所あったが現在安楽寺は30番奥の院となっている。狭い境内の塀際にミニ新四国八十八ケ所石仏が並んでいる。塀にある廂が雨除けになり石仏の状態は綺麗で、見栄えがする。碑面に御詠歌だろうか草書体で書かれた石仏もある。また平成13年に建立された長谷寺の十一面観音と難陀龍王、雨宝童子の三尊セットの像容が特異であり、海外で作られたのではと想像した。