高知県西部の石仏

 

1.志和薬師寺 四万十町志和487 

 

 海岸沿いの山際にあり、道を尋ねた志和郵便局では訪問者が多いらしく薬師寺への道案内図を作成したのを頂く。郵便局の裏になり徒歩で2分。厄除け寺で有名 旧暦の一月八日の祭りは賑わうそうです。山門を入るとすぐ右に薬師堂に登る石段がありその先のお堂周辺に石仏が並んでいる。珍しい石仏があるのでそのいくつかを紹介する。普賢延命菩薩と書いた案内書があった。四頭の象に乗る普賢菩薩だが持物は千手観音である。台石に「一字一石法華経金剛寿命陀羅尼」とある。蓮台と象の間に四天王らしき浮彫がある。両袖が翻り甲冑姿ではなく四天王らしくない。どれも特異な像容である。

 

 

 


 

 その近くにある舟型で円頭光があり聖観音とあるが、頭部は十一面観音にも見える。立像の両脇に三本の花を添えた花瓶が浮彫されている。その横に円頭光背を伴った丸彫の子安地蔵、舟型光背の阿弥陀如来座像など見応えがある石仏が並んでいる。

 


 

 次の三基はかつて境内から出土したと伝えられ室町から安土桃山時代と推定されている。板状五輪塔光背の合掌地蔵像で県内では類例がないといわれている。高さが4050センチ「明心禅尼」「浄慶禅定門」の刻銘がある。これらも非常に珍しい石仏といえよう。この並びに丙型合掌地蔵坐像が三基。下部が土に埋まった状態で置かれている。

 


 

 薬師堂から本堂に向かうと大きな丸彫の釈迦坐像が目に飛び込む。基壇四面には舟型に彫り窪めて四方仏が浮彫されている。耳が極端に長く、初めは髪の毛ではと見間違った。彫刻は稚拙であるがこれも珍しい部類の石仏である。

 

 

 


 

2.薬師寺 土佐清水市下ノ加江小方 

 

 こちらの薬師寺は土佐清水市にあり階段を上ると小堂がり、その裏に宝篋印塔や単体、双体の地蔵が百体近く地べたに寝かされた状態で置かれている。平板のため立たせられないためか、または台座を設けないためかはっきりしない。両手と衣の形がちょうど丙の字の形になっているために付けられた名前が丙型合掌地蔵坐像であろう。この写真のように双体もある。

 


 

3.光明寺 土佐清水下ノ加江241 

 

 市指定文化財の地蔵坐像があるとのことで訪れると参道途中向かって右に一基と境内に一基同じような丸彫の地蔵がある。両方とも指定されているのか、それともどちらかなのかは分からない。どちらも錫杖と宝珠持。

 

享保十六辛年二月吉日(1731)の紀年銘。

 


 

4.香仏寺 土佐清水市加久見149 

 

 入口に「浄土宗法樹山来迎院香佛寺」と書かれた寺号塔がある。その向かいに細長い板石塔婆の中央に地蔵立像を浅く浮彫した六地蔵板碑が並んでいる。凹凸のない歴史を感じさせる石で、室町期のものと推定されている。境内には他に五輪塔、宝篋印塔、層塔などいずれも中世ではと思われる石塔が沢山あつめられている。またお堂には彩色された観音なども拝観できる。