岐阜県関市上之保村の三十三観音塔

 

1.関市上之保村鳥屋市・井谷の三十三観音塔 

 

 上之保ふれあいまちづくり推進委員会から「上之保西国三十三観音塔めぐり」のパンフレットを送って頂いた。地区内にある9ケ所の所在地を地図にプロットし、3つのウォーキングコースを設定。三十三観音それぞれの解説も書かれており分かり易い。私の説明もパンフの解説を流用させて頂く。これはマップNo2で石窟を構築した中に653頂尊形式で浮彫している。なで肩の石に一体づつ独立した姿形、彫りは綺麗で表情が良く分かる。文化十四年(1817)の建立で、石窟が崩壊する危険にさらされたが平成6年に修復したそうです。

 


 

2.関市上之保村川合・横腰の三十三観音塔  

 

 マップNo8でブロック造りの上屋を架けた中に六体の石仏群と一緒に祀られている。縁取りに蓮台を横一筋に連ねて観音群を浮彫。唐破風の中央に「奉納西国三十三観音」と陰刻がある。653頂尊形式で各段の右端のみ寺番号がある。文化四卯正月吉日(1807)銘で周辺に不動明王、帝釈天、庚申塔、聖観音などがある。

 


 

3.関市上之保村明ケ島・小野の三十三観音塔 

 

 マップNo7で昔は石窟の中にあったそうだが道路改修で現在地に移った。563頂尊は三面坐像三体を含む配置の観音である。上部中央に三つ巴紋を陽刻、三頂尊の右が一番で以下左へ、段を下りて左から右へ、さらに段を下りて右から左へ進む。文化十三天子三月日(1816)造立で摩耗が進んでいる。ここにも不動明王や毘沙門天がある。

 


 

4.関市上之保村鳥屋市・倉洞の三十三観音塔 

 

 マップNo1で地区内9基のうちで最も新しい元治元年(1864)の造塔で美しい。頂部に日月瑞雲を浅く浮彫する。各列の左肩に寺番号と足元に寄進者の屋号が小さく彫られている。全体の彫りが深く造形も見事である。唐破風の中央に十六弁の菊花紋が陽刻してある。なお三十三観音塔の左2つ目に駒型の十三仏塔がある。一体毎を舟型に彫り窪めて浮彫したもので安永八亥天三月吉日(1779)の銘がある。

 

 

5.関市上之保村鳥屋市・上田畑 諏訪神社の三十三観音塔 

 

 マップNo3で地区内の三十三観音塔で唯一笠がない。三角頂の板石に広めの縁取りで書院窓風に彫り窪めて日月瑞雲と観音を浮彫。また5頂尊形式をとっているのは地区内でここだけである。5頂尊のみ寺番号が付されている。彫刻は保存が良く観音の表情も見応えがある。碑面上部に文政十年亥七月日(1827)の銘がある。また周辺には善光寺三尊、聖徳太子などがあり江戸後期の建立だが状態が綺麗に保たれている。

 

 

 


 

6.関市上之保村行合・戸丁の三十三観音塔 

 

 マップNo4.しっかりした土台で大きな石に彫られ、唐破風で蓮華紋の立派な笠が乗っている。653頂尊の配列は同じで、露座でありながら彫刻の深さ、像容の鮮やかさが目立ち、石質の良さを物語っている。3頂尊の向かって右端が一番で下段左端が33番札所で終わっている。左面に「天保十五辰年十月吉日」(1844)銘。他に子安観音坐像(文政六年1823)、阿弥陀如来立像、六地蔵立像、石塔群などもある。

 


 

7.関市上之保村行合・本郷の三十三観音塔 

 

 マップN05で本郷峠の頂上に祀られている。昔は露座であったが平成7年に石窟を構築してその中に祀っている。どっしりとした長方形の大きな石で、笠は新しく取り替えられ重量感がありバランスが取れるようになった。地区内では最も女性的な感じに像容が表現されている。地区内では川合・古場の正徳二年(1712)の次いで2番目に古い元文三戊午年(1738)造立。ここには馬頭観音や廻国供養塔などがあり、また「妻神」と彫られた自然石の文字塔があるが、これは道祖神である「塞神」「さいの神」ことである。

 


 

8.関市上之保村宮脇・和田野の三十三観音塔 

 

 マップNo9.山裾をえぐり石積した中に祀られている。長方形の石を縁取りして彫られ、笠は蓮華座と蕨手が彫られている。お椀型の蓮台の上に表情が豊かで穏やかな感じに彫っている。立像はスマートで、三頂尊左右に日月と種子キリークがある。地元民によって12月の第一日曜日に僧侶を招き盛大にお祭りを行い、現在も手厚く供養が続けられている。参詣者には小豆のおにぎり、菓子、みかんなどが配られるそうです。

 

延享四卯歳春三月吉日(1747)銘、