大分県国東半島の石仏(3)

 

1.真玉寺 豊後高田市西真玉 

 

 真玉庄の地頭、初代重実により延文二年(1357)に創建された臨済宗の寺院で真玉氏の菩提寺。居館として九代238年続いた。現在も寺院の周辺は堀跡が残され池には蓮葉が覗き館跡の雰囲気が残っている。本堂前に元禄期に造立された仁王がある。この石殿は白壁外に立つ県指定文化財で室町前期の長禄三年乙卯六月廿七日(1459)銘。軸部正面に六地蔵、両側に阿弥陀と地蔵が彫られている。境内の小堂には弥勒、十六羅漢、毘沙門天などたくさんの石仏が並べられている。

 


 

2.金宗院跡 豊後高田市松行1054 

 

   太友氏の三大老、屋山城主 吉弘氏の菩提寺。吉弘氏は大友氏の重臣として中国地方の大内氏に対抗するため屋山城主として当地を治めた。元は禅寺で永享八年(1436)の開基といわれるが、戦後無住となり寺は崩壊し今は跡がなんとか維持されている。入口に文化十三年(1816)に建立された小型の仁王が待ち構えている。参道から境内跡にかけて板石状の六地蔵や三尊仏があり、十六羅漢も雑然と並んでいる。この国東塔は均整がとれているが吉弘氏との関係ははっきりしない。

 


 

3.妙覚寺 豊後高田市荒尾1069 

 

 この寺院は元天台宗であったが室町期に曹洞宗泉福寺二世明敬禅師により再建され曹洞宗となった。この准胝観音は難陀、跋難陀龍王が波打つ池の水面から伸びた蓮の台座を支える国東では珍しい像容である。嘉永七年(1854)に隣の大力村の石工貞助が彫ったもので、貞助は几帳面な性格で手を抜いた部分のない技巧が冴えている。他に文殊菩薩と国東塔がある。また一石六地蔵は頭上に火焔が彫られ六体全部、持物がなく右に笠塔婆が刻まれている珍しい古い形だとのこと。

 

 

 


 

4.大楽寺 宇佐市宇佐2077 

 

 宇佐神宮大宮司到津家の菩提寺。九州西国三十三観音霊場の第四番札所。山門前にある六地蔵石幢は龕部が線刻のようになっている。竿部に銘があり「種子イ為庚申供養建立」「天正二年甲戌二月時正念九日」(1574)と貴重な庚申石幢である。境内には大型の石仏がたくさん散らばるように置かれている。写真は五大明王が揃っており等身大の大きさで迫力がある。これらは昭和八年から十年にかけて建立されたもの。他にも釈迦、阿弥陀、不動明王、観音などがある。

 


 

5.東光寺 宇佐市江須賀 

 

 十五代王峰道琳和尚が当時の世相から住民を救うため日出(速見郡日出町)の石工吉野覚之丞に依頼し文久三

 

 年(1863)から明治14年までの19年間かけて521体石像を完成。当寺の羅漢は美笑醜渋の四面相があり表情が豊かで個性的とされる。階段状に並べられており上部に釈迦、弟子、七観音などが並ぶ。自分に似た羅漢さんを見つけるのが楽しいという。また墓地には薬師寺の仏足石を模した元文三年(1738)建立の仏足石と十六羅漢がある。

 

 

 


 

6.天念寺 豊後高田市長岩屋1152 

 

 国重要無形文化財指定の「修正鬼会」の寺として有名。歴史資料館「鬼会の里」が隣接する。本堂の民家には木造の釈迦三尊、吉祥天、千手観音、不動明王が祀られている。いずれも平安から鎌倉期作。天念寺耶馬の高く見上げた尾根に架かる石造アーチ「無明橋」はシンボル。峯入り最大の難所として知られる、長屋川に佇む巨石に彫られた磨崖仏は「川中不動」の名で親しまれている。暴れ川であった長屋川を鎮めるために彫られたと伝えられる。不動明王は3.7m、二童子は1.8mの高さ。

 

 

 


 

7.長安寺 豊後高田市加礼川635 

 

 本堂内には本尊の千手観音を中心に木造の十二神将。収蔵庫の太郎天と脇侍は国指定で大治五年(1130)平安期の作。太郎天像はここでのみ存在する仏とされ不動明王の化身で修験道の守護神といわれる。

 

本堂脇と収蔵庫の横にそれぞれ厳めしい仁王が鎮座している。写真は収蔵庫前の仁王で、その前に一対の狛犬が

 

前座を務める微笑ましい光景である。他には国東塔、宝篋印塔などがある。