千葉市花見川区幕張駅周辺の石仏

 

1.三代王神社 千葉市花見川区武石町1-4 

 

 JR総武本線幕張駅の北600mほど交差点の北に大きな森の中にある。下総三山の七年祭りに最初から参加する村社で神楽は無形文化財に指定され、地域の災厄払い、平和、子孫繁栄、豊作を祈る。この禁制石は鳥居前にあり「懐盗心境内入者不遠可神罰」とある珍しい禁制石である。賽銭泥棒が境内に入ると神罰があるという意味のようだ。建立された明治23年は第一回帝国議会が始まった頃で、まだ落ち着かない時勢だったのでしょう。

 


 

2.真蔵院 花見川区武石町1-1413 

 

 三代王神社を東へ農家が点在する道を500mほど行くと左にある。千葉常胤の三男 武石胤盛が母の菩提を弔って建久八年(1197)柳地蔵を祀って真蔵院を造営したとある。境内にある武石板碑は永仁二年(1294)に母の追善供養で建てたそうである。写真は左側の小高い所に子安観音と十九夜塔が十基並ぶうちの四基。左端は円頭光で蕾を付けた長い蓮の茎を持ち子供を抱く、右端は豪華な天蓋で飾った如意輪観音は延宝五年(1709)の造立。

 


 

3.猿田神社 花見川区武石町2-942 

 

 真蔵院から南へ約800m幕張町との境にある。古道らしい細い道沿いに小さな鳥居と祠があり、祠の中に笠付角柱が一基納まっている。剣人持ち六臂で厳しい憤怒相、邪鬼、二鶏、三猿があり銘文は「ヴァーンク金剛界大日種子 奉造立庚申供養善男廿 二世安楽 下総國千葉郡武石村中 享保四己酉十月吉祥日」(1729)。庚申信仰が盛んだった頃の名残がある石仏だ。

 


 

4.京成幕張第6号踏切付近路傍 花見川区幕張町5-240 

 

 猿田神社を南へ、JR総武線のガードを潜るとすぐ京成千葉線の踏切がある。踏切を渡った左に自然石の馬頭観音の文字塔がある。「馬頭観世音」の文字の上部に線彫で三頭の馬の顔が彫られているのが面白く、庚申塔の三猿に似た三馬である。その横に祠があり覗いてみると子安観音坐像が安置されている。円頭光で長い蓮の茎の上に蕾を付けており真蔵院の子安観音と似ている。子供抱く優しい母の顔である。昭和六年二月吉日銘(1931)。

 


 

5.宝蔵院 花見川区検見川町1-5 

 

 踏切のすぐ南にある県道57号を左へ行くと検見川神社の案内標識があり、神社の隣が宝蔵院。山門を入るとすぐ地蔵立像が出向かえてくれる。その裏側、墓地との境に上部が欠損した如意輪観音坐像は「如意輪尊為二世安楽 元禄十二天」(1700)と舟型の地蔵立像は「奉造立地蔵」享保十三庚□天(1728)とある。付近に墓塔らしい石仏も並んでいるが供養塔はこの二基だけのようだ。

 


 

6.善勝寺 花見川区検見川町1-496 

 

 宝蔵院の南300mにある浄土宗のお寺。境内右の墓地との境に丸彫の如意輪観音坐像がある。左側には無縁塔がたくさん並べられており壮観。その奥、鐘楼横に白い玉石を敷き詰め石仏がある。笠付角柱の庚申塔は見える面の両面に三猿があり、びっくりし向こう側に移るとそちらにも三猿があり、全部で九猿あり胸が高鳴る。正面は「奉庚申待成就祈二世安楽也」右面「□□國為葛飾郡千葉庄検見川村」左面「干時延宝五丁巳無神月吉日」(1677)。三面の三猿はすべて不言、不聞、不見の同じ所作である。もうひとつの青面金剛庚申塔も下手に蛇とドクロの首飾りを持つ変わり種である。

 


 

7.広徳院 花見川区検見川町1-106 

 

 善勝寺の北東20057号線沿い。当寺は吉田拓郎が二十歳の頃、民謡収集のため休学し居候していたことで知られている。門を入ると左手に六地蔵、萬霊塔、普門品拾萬巻讀拝供養塔があり、右側に祠が二つある。扉を開けると最初は弘法大師坐像が二基、もうひとつが写真の子安観音で、像容は真蔵院、踏切路傍の子安観音とほぼ同じ雰囲気である。異なるのは子供が玩具を右手に持っていること。祠内なので紀年銘は読むことが出来なかった。境内には他に南インド原産の石材を使い奈良の壷阪寺の佛足石を摸刻した佛足石もある。