埼玉県吉川市東南部の石仏

 

1.越谷ゴルフクラブ手前路傍 吉川市吉屋71 

 

 武蔵野線吉川駅からバスに乗り東部市民サービスセッター前で下車。三輪野江小前交差点を東へ300m越谷ゴルフクラブの看板に沿って左折すると路傍に石仏が並んでいる。入口の覆屋の中は三面馬頭観音坐像で嘉永元年(1848)の建立。露座では左端から駒型の青面金剛庚申塔が二基並ぶ。どちらも頭に蛇が巻き付いており、右側は丸彫のように彫りが深い。お目当ては中央にある角柱の大威徳明王坐像、三面各三眼六臂六足で水牛に乗っている。銘文があり「奉造立大威徳明王□伏水牛守護所□祈所 安永三甲午歳八月吉祥日」(1774)石仏としてみることは稀である。他に馬頭観音、石祠の水神塔、地蔵などがある。

 


 

2.春日神社 吉川市半割341 

 

 下車したバス停方面に戻り三輪野江小学校の南東に春日神社がある。鳥居の手前に六基の石仏が並んでいる。文字塔を含めすべて庚申塔で最初の左端が元禄十五年(1702)で年代順に並んでおり、分かっている人が並べたのだろうか。青面金剛はすべて合掌六臂で邪鬼が両手を突いて正面を向いている。右端の円柱形は日月を線刻し台座に三猿が彫られた文政元年(1818)建立。田圃をバックに昔が偲ばれる景色である。

 

 

3.清春庵 吉川市三輪野江1869 

 

 春日神社を西へ行くとすぐに県道21号線に出る、その脇に新田用水路が流れ歩道があるので、南へ1.5km。

 

用水路沿いの左に清春庵がある。墓地との境に高さ約3mの大きな板碑型の石塔が目に入る。逆光で良く読めないが中央に題目があり、その左右に釈迦と多宝如来の二尊が並立している。万治三年(16609の銘がある。

 


 

4.定勝寺 吉川市三輪野江1553 

 

 清春庵を南へ300m行くと常磐自動車道に突き当たる、定勝寺前のバス停があり、西に定勝寺がある。真言宗豊山派のお寺で奈良の長谷寺を総本山とする。貴重な石仏が沢山あり時間をかけて拝観したい。まず山門手前左側の塀際に青面金剛庚申塔三基と如意輪刻像の十九夜塔が二基ある。境内に入ると右側を庭園風にして石仏が並んでいる。分かり易く説明も添えられている。写真の左端の板碑は「奉庚申後生善所二世大願成就□満所 正保二天乙酉□月吉祥辰」(1645)銘で市最古の庚申塔である。

 


 

 この地蔵坐像は「奉造立供養地蔵尊 六齋日之優婆夷同行廿七人 享保八癸卯歳十一月八日」(1723)銘。8日、14日、15日、23日、29日、30日の六日を六齋日といい死霊や怨霊の鎮魂を目的に行う。他に二童子がある不動明王坐像、元禄十二年(1699)と延宝五年(1677)の二基の地蔵庚申塔、延宝三年(1675)の地蔵立像の百堂塔。それに寛文九年(1669)の一対の庚申燈籠は、右側は竿に三猿、左側は竿に地蔵立像が浮彫されている。

 

 

 


 

5.前間会館裏墓地 三郷市早稲田8-29-7 

 

 21号線をさらに南下し約1km前間信号の先の小道を右折300m先の信号角に前間会館がある。墓地奥に七基の石塔が並んでいる。入口の笠付は光明真言、大乗妙典の供養塔で、奥はすべて青面金剛庚申塔である。どれも白いカビが付着していて保存状態が良くない。奥から二番目の青面金剛は剣人六臂で彫も深く躍動感が溢れている。天保三壬辰年十一月吉日(1832)銘。

 


 

6.光福寺 三郷市輪枝8-15-13 

 

 前間会館の並びにあり山門入口で仁王さんが迎えてくれる。弁天社前に蛇の使神像一対があり周辺に庚申塔や如意輪観音が安置されている。墓地への途中と墓地入口に六地蔵が二対ある。この庚申塔は墓地の右側の五輪塔群前に並んでいる。日月、六臂は宝輪、三叉矛、弓矢、合掌で標準的。銘は享保十二丁未歳十月吉日(1727)。ここから三郷駅までは1.5kmほどある。バスの便もあります。