山梨県中央部の石仏

 

1.安楽寺 中央市極楽寺571 

 

 曹洞宗のお寺で境内の左側にブロックで一段高く基壇を作り8基の石仏と石祠が並んでいる。そこから3基を選んだ。右は青面金剛庚申塔で下手は両方とも蛇を持っており、右手の蛇は鉾の棒に巻き付いていて面白い。左側、双体の馬頭観音は優しいふっくらとした表情でほっとするひと時を与えてくれる。どちらも紀年銘が見当たらない。他には丸彫の大日如来立像と石祠3基がある。

 


 

2.龍徳寺 中央市中盾1332 

 

 曹洞宗のお寺で本尊の木造聖観音は市指定文化財である。門を入るとすぐ両側に石仏が並んでいる。ひと際目立つのが円柱形台座の上に載っている板状の庚申塔だ。上半分が青面金剛の痩せている四臂で、これも下手は両手に蛇、上手は法輪と宝棒か。下半分は三猿と構図のユニークさが抜群である。円柱形の台座とのつなぎ目に不自然さを感じるがいかがだろうか年代は不明。他に絵馬型一石六地蔵、六地蔵石幢、聖観音立像二基などがある。

 


 

3.隆円寺 南アルプス市下今井841-5 

 

 最近、改修されたようで広い寺域に新旧の色んな石仏がある。入口では新しい仁王一対と七重塔が迎えてくれる。土塀が改修されており一定間隔で龕状にくり抜かれ百観音が収まっている。説明書によると安政三年(1856)の建立とある。特に注目したのは写真の石仏で、中央の庚申塔は折損して継がれているが二臂で踊るような所作をしている。足の左右下の猿は二猿で、この構図もユニークである。左の石幢は六観音で享保十八年(1733)造立。甲斐地区は、六地蔵は多いが六観音は少ない。他に釈迦坐像、馬頭観音と新しい不動明王、地蔵などたくさんある。

 


 

4.久円寺 南アルプス市十五所474 

 

 広い境内の一角、不動明王立像を中心に地蔵立像七基、聖観音、阿弥陀坐像などが並んでいる。別の場所にこの三基がある。中央の庚申塔は青面金剛が浅浮彫され火焔光背の頭光で両手蛇持ち四臂は①②と同じである。正面は二鶏だが左右面は一猿で二猿となる。年号は記されているが陰刻が薄くて判読が出来なかった。庚申塔の両側にある聖観音と地蔵はどちらも大きなお顔で存在感がある。

 


 

 5.蔵珠院 南アルプス市桃園740 

これはは六地蔵石幢の幢身で、もとは真言宗「廃」長命寺にあったものを遷したといわれている。安山岩製で室町初期の形式を伝える県指定文化財である。幢身表面に延命地蔵経の偈と裏面に応永二十八年二月八日(1421)銘がある。道路向かいの基壇上に数基の石仏があり六地蔵石幢の残欠や馬に乗る勝軍地蔵があった。

 


 

6.持地院 南アルプス市百々1530 

 

 本堂前に六地蔵石幢が一対あるが六地蔵は燈籠の支柱のような中に納まっている。延宝九辛酉暦拾月(1681)銘。墓地への途中に石祠型庚申塔(写真)がある。塔身正面に二鶏、二猿が浮き彫りされ、中に石仏が安置してあるが像容ははっきりしない。造立は寛文十二年(1672)。墓地入口に陵角型六地蔵が一対あり、貞享四年(1687)銘。他に絵馬型一石六地蔵も数基あり六地蔵ラッシュのお寺だ。

 


 

7.正授院 甲斐市中下条1249 

 

 本堂前に単制の石幢がある。蓮弁を彫刻した基礎に187センチの七面幢身が乗っており過去七仏(釈迦、毘婆尸、迦葉など)の尊名が刻まれている。市指定文化財で室町中期ごろの造立と推定されている。他には絵馬型一石六地蔵が三基などがある。山梨県は色々な石幢がありなぜなのか興味深い。