山梨県都留市の石仏

 

1.西方寺 都留市鹿留539 

 

 ここには笠付角柱の一石十三仏がある。三面に五体、四体、四体が浮彫された十三仏塔だが、風化が進んでいるため尊名を特定するのが難しい。裏面に宝永五年(1708)の銘がある。境内には白い大理石で作られた大きな石仏がたくさんならんでいる。ちょうど住職がいらっしゃって説明して頂く。すべて石造彫刻家の長岡和慶氏の作品とのこと。長岡師は三井寺や三千院から大仏師の称号を授与された現代の名工で日本石仏協会の理事でもある。写真は不空羂索観音で精緻な彫刻は素晴らしい。他にも弁才天、如意輪観音、六地蔵など見応えがある。

 

 

 


 

2.身禄堂 都留市夏狩、団子坂下 

 

 身禄堂とあるのは宗教家で冨士講の指導者である食行身禄のゆかりがあるのではないかと周辺を見たが石碑のようなものはない。お堂の下にトタン屋根の粗末な小屋があり石仏が数基並んでいる。前面に金網が張ってあるが写真撮影はできる。夏狩型双体道祖神と呼ばれる足を絡ませ抱擁する、少し有名な道祖神である。他に石祠型道祖神(明和七年1770)、角柱の道祖神にも見える二尊仏、地蔵、馬頭観音などがある。またこの近くに太郎、次郎の滝があり湧水群になっているので寄り道もまた楽しい。

 


 

3.八面神社 都留市夏狩1571 

 

 身禄堂から東へ300mくらいの所にあり祭神は素戔鳴命。少し長い石段を登り社殿の右に庚申塔が二基ある。

 

右の笠付角柱は六臂の青面金剛像で下部に二鶏、二猿が並んでいる。「広心供養」とあるのは遊び心か。宝永元年甲申八月念五日(1704)銘。隣の石祠は室部に二鶏、二猿が浮彫され「参能廿一仏宮」とあり明暦三年(1657)の建立。

 


 

4.西涼寺 都留市中央4-4-1 

 

 浄土宗の寺院で、市中心部の少し小高い場所にある。2メートルもあろうか立派な自然石に独特の六字名号が刻まれている徳本名号塔がある。紀年銘は「文政元戊寅歳高秋」(1818)で石刻 信刕高遠北原林蔵とあり高遠石工の跡が残されている。石碑の遠望は里山の風景で落ち着く環境が良い。

 


 

5.円通寺 都留市中央3-5-1 

 

 入口にある元坂の石橋は市指定重要文化財で関東大震災でも壊れなかったという。この六地蔵石幢は墓地入口にあり竿が欠損している。地蔵の頭の上にそれぞれ扁額が彫られているのが変わっており紀年銘は不明。境内には丸彫の円通三十三体観音がある。新しいものだが、それぞれに観音の名称が記されており施薬観音、蓮臥観音など独得な名前が書かれている。

 

 

 


 

6.羽根子入口路傍 都留市羽根子 

 

 都留ICから県道705号線に行き、羽根子入口の橋を渡るとすぐ右折する。長生寺の手前の切通し愛宕地蔵堂前に石仏が並んでいる。右側は上壇の中央に馬頭観音がある六地蔵で珍しい。馬頭観音の角は分かるが顔は風化してはっきりしないのが残念だ、文化四年(1807)の建立。中央は明和四年(1771)の一石六地蔵、左端は聖観音。周辺には庚申塔、馬頭観音などたくさんの石仏・石塔がある。

 


 

 愛宕地蔵堂の右の少し高い石段上に石塔が一基草むらに隠れており、見過ごしてしまいそう。駒型で「出雲路幸神」と書かれており珍しい道祖神である。京都市や安来市などに出雲路幸神社がある。