新潟県津南町の石仏

 

1.千溝薬師堂 十日町市小原 

    千溝集落開発センター裏 

 

 参道の奥に赤いトタン屋根の薬師堂があり広い境内が開放的である。参道左の大木の前に石仏が並んでいる。

 

右側の青面金剛は合掌六臂で上手は右が宝剣、左は弓矢を一緒に持っている。下手は右が羂索、左が蛇で、二鶏、三猿の関東で見慣れた形である。左は文字の庚申塔で正面に「卍青面金剛供養塔 元禄五□」(1692)で三猿や二鶏はない。境内には他に双体道祖神が二基ある。

 

 

 


2.十二社神社北・井上宅裏 

     津南町外丸・辰の口

 

 十二社には双体道祖神があり、道路を隔てた北の井上宅裏にある。場所が分らず十二社で休憩していた方に聞くとその方が井上さんだった。木立の中、舟型に役行者らしくない温厚そうなお顔で錫杖と経巻を持ち磐座に座している。台石に「神変大菩薩 辰ノ口施主 太□ 文化二年丑九月吉日」(1805)の紀年銘がある。素人が彫ったようで上半身と下半身のバランスが悪く修験者らしさを感じない像である。背景がのんびりした里山で個人の管理なのでしょうか。

 

 

 


 

3.久昌寺 津南町外丸丁128 

 

 津南駅北側にあり本堂は小高くなった所に建っている。参道両側に地蔵や如意輪観音が数基あるが、どれも白いカビが覆っている。奥の石垣沿いに庚申塔が二基ある。写真の青面金剛は顔がユニークで可愛いらしい。四臂であるが右上手は日輪、左上手は羂索を持つ。月輪は別に彫られており構図が変わっている。下手は弓矢。二鶏、三猿は変わらずだが紀年銘などは分からない。他に双体地蔵や如意輪観音などがある。

 


 

4.毘沙門天 津南町下船渡丁1266 

 

 津南町役場の北東に位置し入口に大きな社号塔がある。集落で五穀豊穣と身体の健全を願い守護神として祀ったと由来碑がある。社号塔の横、不動明王が参拝者を見守っている。火焔光背が赤く着色されており、お不動さんの顔もユーモラスである。階段を登ると境内に石仏が数基ある。「津島大神」石塔。青面金剛は六臂だが手の位置がおかしく稚拙な彫である。もう一基、舟型で二臂の像容は胸前で何かを持っているようにも見受けられる。宝塔なら毘沙門天だろうが、何となく山神ではないかとも思えるがいかがでしょうか。

 


 

5.熊野神社 津南町下船渡・大割野  

 

 大割野の津南中学校の西にある。境内には役行者、四臂の青面金剛、庚申石塔などがあり見逃せない。社殿右奥に大岩が鎮座し、その上に駒型の石塔がある。彫り窪めた中に長い衣を着け合掌しているような姿で、地元の資料では「十二社」とある。「十二様」や「十二大明神」は山の神のことだという。またこの大岩の中に双体道祖神が彫られているがやっと像らしきものが分る程度である。

 


 

6.お堂前 津南町中深見乙176付近 

 

 国道405号線沿いの歴史民俗資料館の北に火の見櫓とお堂がある。周辺には青面金剛庚申塔が三基あり、そのうち一基は状態が良く見応えがある。また「六十六番廻國供養塔」とある丸彫の弥勒菩薩坐像などもある。小さな堂内を開けると十王や人頭杖などが揃っている。右手前には舟型で三段に五尊が浮彫されている。「奉納百番塔 弘化四年未四月吉日」(1847)「行者源五右門 衆生他力供養」とあり。五尊は上から順に勢至菩薩、地蔵、弘法大師、聖観音、阿弥陀如来と見た。

 


 

7.大場神社 津南町中深見・大場 

 

 大場集落は津南町の東の境にあり、狭い道を縫って行く。小さなお堂のある神社の奥に石塔が数基並んでいる。写真の破風型に両手でイクサギという剣形のものを持つ像は狩猟から発生したものといわれ山の神である。山の神は地方によってその像容は多様である。津南町は魚沼地方に属し「十二山の神」地帯である。廻ってみて十二社神社の多さに圧倒された。

 

 

 


 

8.矢平鎮守の森 津南町結東・矢平 

 

 津南町から長野県栄村への道である405号線の結東に萌木の里がある。その手前道路沿いの石壁途中に階段があり登ると鎮守の森の立て札がある。聖観音や庚申塔、石祠などがある。その中で注目は自然石で両肩に風の入った袋を背負い、雲海に片膝を立てる躍動感溢れる姿の風神である。、農作物に被害をもたらす麓から吹き上げる大風から守る守護神であるが、お顔は猿に似ている。年号などは不明である。