栃木県宇都宮市の石仏

 

1.東海寺入口西路傍 宇都宮市篠井町827 

 

 東北道宇都宮ICから北西へ県道77号線を約8kmのところ東海寺入口角にある、民家横の広場にコの字形に15基ほどの石仏が配置されている。写真は蓮華座の上に乗る角柱の青面金剛庚申塔で、高さが1m近くあり大きい。白いカビで覆われているが六臂で三猿と二鶏を伴い正徳二壬辰三月吉日(1712)の紀年銘。他に双体道祖神や如意輪観音を刻像した十九夜塔が数基と六地蔵の残欠らしい地蔵がある。

 


 

.徳次郎公民館 宇都宮市徳次郎町80-2 

 

 日光街道(国道119号)と国道293号が交差する徳次郎交差点西にある徳次郎郵便局手前の路地を右に入ると公民館がある。公民館の横に木祠がありその横に石祠や石塔が少しある。石祠の中には不動明王三尊とその後ろに像容の異なった風神が二基納められている。どちらも近年に建立されたようだが珍しい石仏である。またその後ろの石祠は「陰陽官 小川左膳卜部輝房寿八十一歳之建」とあり御札に「摩利支天王」とある。

 


 

 この公民館の手前50mのところに個人の墓がある。ほぼ中央に笠を乗せた八角形の石幢があり中心に如意輪観音の坐像、周囲に六地蔵が取り囲んでいる。これも珍しい配置で明治九年八月(1876)の建立。他には石祠内に板状の五輪塔婆を納めたものが三基。如意輪観音や地蔵などの墓塔を十数基集めたものなどもあった。

 

 

 


 

3.多藤神社 宇都宮市上横倉町625 

 

 徳次郎交差点を東へ1km上横倉町交差点の手前左側に見える鳥居が多藤神社。鳥居をくぐると左に勝善神、馬力神とある文字塔と写真の三面八臂の馬頭観音が並ぶ。この馬頭の台石にも走っているような姿の馬が描かれている。道標も兼ねており享和三癸亥天二月吉日(1803)銘。本殿までの途中にある祠には彩色した如意輪観音と地蔵らしく前掛けを架けられてはっきりしない石仏があった。社殿手間には三対の狛犬が並びどれも特徴があって面白い。他には本殿横の祠に不動明王が二基並んでいるが右側は頭が欠けている。

 


 

4.長林寺 宇都宮市岩原町196-1 

 

 西根バイパス(国道293号線)岩原町交差点のすぐ東にある。曹洞宗のお寺で山門手前に結界石、馬頭観音、十九夜塔が並んでいる。山門に繋がる塀は地元らしく大谷石が並び美しい。この地域は馬頭観音と十九夜塔が多いところでその両方が向かい合っている。馬頭は三面八臂。十九夜塔は角柱で上部を丸型に彫りくぼめて如意輪観音を刻像し、下に「十九夜」とある慶應年間の建立。

 


 

5.大谷寺 宇都宮市大谷町1198 

 

 坂東19番霊場で国特別史跡、重要文化財に指定されている。本尊は平安期作といわれる千手観音。凝灰岩の大谷石岩壁に高さ4m。最初は赤い朱を塗り、一番表に金箔が押され金色に輝いていたという。脇堂の釈迦三尊、薬師三尊、阿弥陀三尊の計10体は写真撮影不可で掲載できない。ただ境内にはたくさんの石仏が並び、小さな磨崖仏もある。また庭園にも石仏が置かれていた。写真は庭園にあった如意輪観音と地蔵の二尊仏であるが紀年銘はなかった。

 


 

6.平和観音 宇都宮市大谷町1174 

 

 大谷寺を左に出るとすぐ、昭和初期まで大谷石の露天掘りをしていた採石場跡に建てられている。太平洋戦争の戦死没者の供養と世界平和を祈って昭和23年から29年まで6年間かけて彫刻された。高さ27mの威容を誇っている。周囲は採石場跡で垂直に砕石された壁面が周囲を覆い、その規模の大きさにびっくりする

 


 

7.清厳寺  宇都宮市大通5-3-1 

 

 宇都宮市中心部で県庁の東800mにある。石仏は少なく萬霊塔の上部にある聖観音立像がお目当。この観音は若杉慧氏が「野の仏」で有翼観音として紹介し有名になった。いまだに石仏は状態が良く保たれており驚いた。境内右のお堂には国指定重要文化財の鉄塔婆がある。扉が開けられるようになっており、かつスイッチで照明が出来て明るく写真撮影もOKで十分に拝観ができた。素晴らしい配慮に感謝。宇都宮八大城主貞綱が亡き母の十三回忌に建立したもので上部に種子の阿弥陀三尊と浮き彫りの阿弥陀三尊が美しい、鎌倉期の正和元年八月(1312)の銘。

 

 

8.祥雲寺 宇都宮市東戸祭1-1-16 

 

 県庁の北600mのところにある。広い境内の周辺あちこちに羅漢さんが並んでいる。ご住職の話では現在450体くらいあるそうです。お寺で定期的に羅漢さんを彫る講習会を開催しており、各自が思い思いの作品を作るので変わった羅漢さんが多いとのこと。写真のように並ぶ様子は壮観で、一体一体異なる像容を見るのもまた楽しいものである。