栃木県鹿沼市西部の石仏

 

1.日枝神社 鹿沼市板荷3033 

 

 148号線を西に向かう左側にあり、入口が狭く分かり難いが境内に駐車は可能。この神社では毎年3月第1土、日に行われる「板荷のアンバ様」は市無形文化財に指定されている悪魔祓いの行事である。茨城県稲敷市の大杉神社から勧請した悪病退散、村内安全、水神を祈願している。本殿前にある写真の燈籠二基はどちらも庚申燈籠である。右は竿に日月 二猿と「奉庚申待金剛 赤面供養 正徳元辛卯天十一月吉日」(1711)とある。左は基礎に三猿が彫られ竿に「奉寄進石塔一基 享保元丙申襖九月四日」(1716)とある。

 


 

2.薬定寺 鹿沼市板荷3350 

 

 日枝神社をさらに西へ行き材木店の手前の細い道を右に入る。高野山真言宗のお寺で自然が残っている環境が売りとのこと。境内の奥にある石幢は「永正九壬申年四月」(1512)銘で県内最古の市指定文化財の六地蔵石幢である。幢身は複数の石材を重ねた重制石幢で、造立の詳細は明らかではないが壬生氏や日光修験との関係が考えられとある。写真手前の石幢は六観音石幢で「奉造立念佛供養 貞享三丙寅天七月吉日」(1686)西国、坂東、秩父霊場祈願所とある。

 


 

3.深岩観音 鹿沼市深岩457 

 

 下野三十三観音の30番札所で深岩山満照寺とあるが江戸時代末期に廃寺となったため今は地区で管理している。深岩公民館から裏山へ細くて少し急な登りは階段とジグザグ道の両方がある。覆い被さるような大岩下に観音堂があり、その左にある六地蔵石幢は市指定文化財で天文六□年丁酉七月□日銘(1537)薬定寺より20年後の造立。左の摩崖仏は聖観音で紀年銘がはっきりしないが江戸期の造立であろう。登る途中に右手で蛇を掲げる庚申塔や住職墓の五輪塔などがある。

 


 

4.大葦神社 鹿沼市下大久保44 

 

 深岩観音から14号線をさらに北西へ8キロくらい進むと左側にある。境内は狭く燈籠や石祠が散在しており、入口の左は自然石に猿田彦大神と彫られた石塔が二基ある。右側は角柱の結界石がある。「莫不浄輩入天門

 

惣鎮守大葦神社 神主丹後守正六位下藤原朝臣隆屋誌」とある。像立年は不明だが、近くに石碑があり、それには藤原朝臣隆屋が天明三年(1783)の浅間山大爆発で貢献したと記されている。結界石の文言が珍しいので上げた。

 


 

5.和田内観音堂 鹿沼市上久我 

 

 市内中心から240号線を西にかなり行く。道路沿い左で墓地のような奥に観音堂がある。本堂前に石仏が並んでいる。蓮弁台座に坐す右は金剛界大日如来、左は阿弥陀如来であり、どちらも寛政七乙卯二月吉日(1795)銘で同時に建立されている。また燈籠は竿の正面に「奉納虫地蔵尊常夜灯」とあり弘化三丙午五月吉日銘(1846

 

「虫地蔵尊」とは害虫として殺した虫の供養であろうか。他には自然石の文字碑「子待塔」と日月二猿の庚申塔角柱がある。

 


 

6.広厳寺 鹿沼市上南摩町751 

 

 市内から177号線を西に向かうとある曹洞宗の寺院で入口は広く山を背に参道が奥に繋がっている。参道両側に石仏・石塔が30基ほど並んでいる。最も多いのが如意輪観音を刻像した十九夜塔で、当寺だけでなく鹿沼市全体が同様で十九夜塔の密度が濃い。十九夜塔には角柱の上部に如意輪観音を浅浮彫するものと、舟型に如意輪坐像を彫ったものがある。大部分が念佛講中、女人講中の造立。

 


 

7.発光路路傍 鹿沼市神柏尾・田ノ端

 

 市内から15号線を20kmほど行くと上柏尾の発光路バス停がある。その先の右側にコンンクリート製の高さ23mの土砂崩れ除けの壁があるところに階段があり、10mほど歩くと石仏が数基ある。道路から石仏は見えないので少し歩くか地元の人に訪ねるかしたほうが良い。その中に県内最古で市指定の双体道祖神がある。明和元年甲申天十一月吉日(1764)銘。肩組手握像で柔らかな雰囲気であるが林の中にあるせいか白いカビが表面に出ている。