横浜市旭区南東の石仏

 

1.三仏寺 横浜市旭区本村町76 

 

 相模鉄道二俣川駅北口に下車。駅前の県道40号線厚木街道を右へ500m本村ICの先、葬祭場の角を左折し突き当りを、左折すると三仏寺がある。緑一杯の寺院で三仏寺の名は本尊が阿弥陀三尊からきてるのであろう。

 

階段を上がると境内左に石仏群がならんでいる。右端が正徳二年(1712)の延命地蔵。二番目は岩船地蔵で碑面に「岩船地蔵念佛供養 享保四己亥年十一月」(1719)の銘がある。他に大乗妙典供養塔や馬頭観音がある。また開基の宅間家代々の墓所もあり、そこは市指定史跡で切妻破風付板碑などは希少な遺例という。

 

 

 


 

2.本村神明社裏路傍 横浜市旭区本村町39 

 

 厚木街道に戻って先に進むと300mで神明社がある。二俣川村と今宿村の鎮守で5月に「人形焼納祭」が行われる。石仏群は本殿の右奥境内の外にある。右端の舟型阿弥陀立像は台石に三猿がある庚申塔で、碑面にも「奉造立庚申供養」とある。延宝八年(1680)庚申年の建立。前にある双体像は墓塔にも見えるが紀年銘が文久元酉三月吉日(1861)とあり道祖神であろう。他には道標を兼ねた地神塔、庚申塔の文字塔がある。大山厚木道、藤沢道、神奈川道など色々な地名は交通の要衝だったことがわかる。

 


 

3.西岸寺跡向路傍 横浜市旭区三反田町269 

 

 本村神明社から相鉄線踏切を渡り、本宿小の北を進み、東海道新幹線を越える、少し複雑な道だ。路傍の一角に白い玉砂利を敷き詰め整地して安置されている。舟型光背の地蔵立像は「奉納大乗妙典日本廻国供養 天下泰平国土安全」「武州都筑三反田村 願主野口□兵衛」「享保八癸卯天十一月廿一日」(1723)とある廻国供養塔でロケーションも像容も整って見栄えのする風景である。

 


 

4.三反田稲荷社 横浜市旭区三反田町228 

 

 廻国塔から先へ250mで左に稲荷社がある。写真の左は聖徳太子孝養像で元は川島町1519の井上家に祀られていたのを平成28年に移設した。台石に川崎、上星川、三反田、中丸、二俣川などの村名、人名が刻まれている。文化五年(1808)の建立で昭和の初めまでは222日に講を行っていたそうである。右の庚申塔は道標を兼ねており、以前この道は、相州道が横断していたという。

 


 

5.三反田路傍 横浜市旭区三反田210 

 

 稲荷社から300mで左側階段の奥、祠に納まった石仏が見える。駒型の弥陀如来立像で下部に三猿がある庚申塔。「武州橘郡三反田村 延宝八天庚申霜月廿八日」(1680)銘。ここも銅製の屋根を設えた立派な小屋に安置されカビや苔がなく地区の人びとに見守られていることがわかる幸せな石仏である。

 


 

6.市沢小学校西路傍 横浜市旭区市沢町725 

 

 三反田路傍の先600mで交番前交差点がある、その南にある車止めされた道路を250mで市沢小学校の横にでる。道路の脇に小さな祠があり駒型の塔と蓮華座に丸い石が置かれている。左は上部が浮彫で雲に乗り横向きで、右手にを桃を載せる一猿である。碑面に「庚申供養」「宝暦五天三月吉日」(1755)銘がある。主尊に桃を持つ一猿の庚申塔は珍しく、像容もはっきりして貴重な石仏である。

 


 

7.熊野神社 横浜市旭区市沢町812 

 

 市沢小学校の南側に廻り150mほどで熊野神社の裏側に出る。社殿の左側に庚申塔を中心として六基の石仏が二列に並んでいる。その中から後列左にある舟型の阿弥陀如来坐像を取り上げた。下部に三猿がピラミッド状に配置されたユニークな構図である。碑面左に「延宝八庚申年九月四日」(1680)銘と三猿の周りに寄進者名がある。一緒に並んでいる青面金剛庚申塔はどれも彫が良く写真を掲載できないのが残念なほどである。延宝八年から元文元年までの江戸初期から中期の佳作である。

 

 

 


 

8.長見寺 横浜市旭区市沢町879 

 

 熊野神社の正面をそのまま真っすぐ行くと150mで長見寺の横に突き当たる。本堂の前に三基の石仏があり白いカビが混じっている。右側の地蔵坐像は瑞雲に乗り、その下の敷茄子に龍が彫り込まれて台座の彫刻が素晴らしい。碑面に「奉造立地蔵菩薩」「享保九甲辰年三月廿二日」(1724)銘。その手前には現代の作だが馬に乗った童子像が二基と、地蔵の横には八臂の馬頭観音がある。