横浜市磯子区南部の石仏

 

1.薬王寺 横浜市磯子区洋光台3-12 

 

 JR根岸線洋光台駅北口のピーコックストアの先300mにある。入口に薬王寺縁起が書かれており、開創は鎌倉末期の元弘三年(1333)と伝えられ、本尊の薬師三尊は数々の効験が言い伝わっている。境内を入るとすぐ右に三基の石仏がある。中央は蓮弁台に立つ聖観音で下部に三猿が浮彫された庚申塔である。「奉造立庚申供養二世安楽 延宝三乙卯十月吉辰」(1670)の銘文がある。時間が止まったような静寂な雰囲気が漂っている。右は万延元年の庚申塔で左は寛政九年の馬頭観音、他に丸彫りの六地蔵がある。

 


 

2.若宮八幡宮 磯子区洋光台1-13-49 

 

 薬王寺のすぐ北にある信号を東へ800m洋光台入口信号の右に「若宮八幡宮」の案内板がある。入口にある由来によれば天文年間、杉田の庄領主間宮信元の開基。後北条の時、笹下城および間宮氏の守り神として祀られた。幕末期は後の杉田玄白、間宮林蔵が出ている。この三面馬頭観音は一見、青面金剛に見受けられるが日月、三猿、二鶏がない。六臂の持物も蓮華、宝珠、宝塔、三叉矛、宝棒、宝鈴で元禄十四辛巳年八月五日(1701)銘。宝冠に宝馬がないのが少し気にかかる。

 


3.妙蓮寺 磯子区田中1-21 

 洋光台入口の22号線を右折し、130m左の小路を行き小さな橋を渡ると妙蓮寺の案内がある。入口の階段途中左に大きな石塔がある。二段の基礎に角柱の合掌青面金剛像で、片足が邪鬼の頭に乗り、三叉矛、宝輪、弓矢を持つ。頭頂に蛇がとぐろを巻いている。日月、二鶏、三猿があり「奉造立南無帝釋天王守護処 享保十八癸丑稔七月十二日」(1733)銘。日蓮宗では青面金剛と帝釈天を同一に見ていたようである。

 


 

4.宝勝寺 磯子区子氷取沢町126 

 

 県道22号線に戻り南下1kmで栗木交差点さらに1.8km行くと宝勝寺がある。左の墓地に入り登坂の途中に観音立像がある、その後ろに石仏が数基固まって安置されている。右の笠付青面金剛は合掌六臂で宝暦十二年(1761)。頭髪が中央で左右ふたつに分けているのが変わっている。左は宝棒に羂索を持っており、剣人型ではない。また邪鬼の顔が大きく体とアンバランス。元禄四年(1691)銘がある。

 


 

5.梅林小学校北脇路傍 磯子区杉田5-9-21 

 

 栗木交差点まで戻り環状3号線を東へ1km杉田梅林トンネルの手前右に上に上がる階段がある。登ると梅林小学校で塀沿いに左へ行くと金網越しに石仏が一基立っている。金網のすぐそばに石仏が置かれているため一部分しか撮影ができない、左手に未開蓮華を持ち右手は蕾に添える聖観音は気品があり美しい。「奉供養南無庚申」「寛文十三癸丑天三月十九日」(1673)の銘文がある。台石に三猿が彫られてており、ただ一基のみだが見落せない石仏である。

 


 

6.杉田八幡宮 磯子区杉田4-6-31 

 

 環状3号線を東へ行きトンネルを過ぎると国道16号に突き当たるので左折。500mで左に杉田八幡宮の入口が見える。社殿前左右に燈籠と狛犬が一対づつある。阿吽の狛犬は市指定文化財で銘文が背に彫られており、獅子の形をとっていないことが珍しいと教育委員会の説明にある。ユーモラスな表情で肥前狛犬に似ているようにも見受けられる。社殿右の塀沿いに自然石に「猿田彦大神」とあり下部に三猿を線刻、台座に「庚申塔」とある明治二十五年建立の石塔もある。

 


 

7.願行寺 磯子区中原2-13-12

 

 16号線を北上し800mコンビニ角を左折し200mで願行寺がある。境内に六地蔵があり、墓地に入ると左側に聖観音刻像の十九夜塔、駒型の青面金剛庚申塔、野見宿祢命の文字塔が三基。その先に庚申塔と名号塔が四基ある。写真左の板碑は阿弥陀三尊種子の下に偈頌が書かれている「経曰説我得佛十方衆生至心信楽欲生我国・・・」の百字あまりの長文で浄土教の仏説無量寿経の一部とのこと。下部に三猿があり寛文五乙巳暦二月二日(1665)銘は区最古という。右の庚申塔も同じような長文が記されており元禄四年(1691)建立。