相模原市緑区の石仏

 

1.水場のヤツボ 相模原市緑区大島2662

 

 県道48号線の西200mのところにあり入口に大きな案内板がある。市登録史跡「大島水場のヤツボ」とあり、ここから下へ降りる。ヤツボとは湧き水のことで、大島地区に十数カ所のヤツボがあったが今は枯渇し残っているヤツボは少ない。石組の水場が設けられ、この水は近くの日々神社の御神水として利用されている。木造の立派な小屋に龍蛇神として倶利伽羅竜王が安置されている。文久年間の中頃の作といわれている。

 


 

2.内出信号東路傍 相模原市緑区下九沢2911 

 

 県道506号線内出交差点の東にコンクリート製の石垣をバックに並列されている。角にコンビニがある。

 

右から「百番観世音菩薩」文字塔、地蔵立像、「地神塔」の文字塔、中央の笠付角柱は阿弥陀如来坐像で「奉念佛供養」、地蔵立像、如意輪観音、馬頭観音、そして左端が不動明王。どれも江戸後期の建立である。周辺の区画整理で集約されたのであろう。

 


 

3.正泉寺 阿弥陀堂 相模原市緑区相原6-6-2 

 

 入口に関東百八地蔵尊霊場の社号塔がある。境内には奉納された新しい地蔵が百数十体並び壮観。阿弥陀堂は本堂から少し離れた墓地外にある。境内に三基の石仏があり、右の徳本名号塔は市指定文化財で文政朔歳(=元年1818)銘。中央の舟型は三面六臂の馬頭観音、左の笠付は合掌する如来像で下部に三猿がある庚申塔。

 

馬頭も庚申塔も平成年代の造立で、新しい石仏が建立されているのは嬉しい。

 


 

4.大正寺 相模原市緑区谷ケ原1-3-1 

 

 境内は駐車場を兼ねて広く、右側に細長い立派な建屋を設け石仏が並べられている。中央の丸彫地蔵坐像は台石に「願王 百人講」とあり、左右に角柱三面に二体づつ浮彫された六地蔵塔が十七基並んでいる。左端のみ四体なので合計で百体地蔵。右端の台座に明治十二己卯天一月有四日(1866)銘があり、百体地蔵は珍しい。良く見ると足元に子供がいるものなど変わった像容もある。他に岩船地蔵や徳本名号塔、牛頭観音などもある。

 

 

5.雲居寺 相模原市緑区根古屋2339 

 

 以前は津久井町だったが合併で相模原市になった。津久井湖の南に位置する臨済宗のお寺。ここにも大正寺と同じような百体地蔵がある。三面に二体づつ浮彫した角柱で、少し摩耗が進んでいるようだ。市内に同じようなものが二か所あるのはどのような理由なのか知りたい。他に三猿の庚申塔、自然石に「蠺霊塔」と書かれた大きな蚕神塔があり、この周辺も養蚕が盛んだったことが偲ばれる。

 


 

6.上野原バス停北路傍 愛川町田代上原1066 

 

 相模原市の隣町になるが愛川町指定文化財で田代上原の庚申塔である。説明には神像とも仏像ともとれる珍しい異形二臂で初期の庚申塔といわれる。下部に横向きの三猿があり、「奉納庚申供養也」「相州愛光郡上川入田代村 寛文八天戊申二月廿一日」(1668)。相模原やこの周辺に似た異形二臂の庚申塔がいくつかある。ここには他に地蔵坐像、宇賀神、馬頭観音立像などもある。

 


 

 山王社 

 

 同所横にある階段を上ると小さな祠があり、これが山王社。鍵が架かっており空いた部分から撮影したが丸彫の山王神坐像で台石に三猿がある。鷹取昭著「神奈川の庚申塔事典」によれば、寛政九年(1797)「田代村神主荻田重郎右衛門」と刻まれ、像は大宮権現像<比叡山延暦寺の山王七社の中心をなす地主神)を模しており、江戸後期のこの頃まで山王信仰と庚申信仰との密接な係わりが知られる貴重な遺像とある。近くの住人に確認すると山王社の鍵は中津神社が管理しているとのことだった。