神奈川県葉山町上山口の石仏

 

1.栗坪石仏群 葉山町上山口558 

 

 JR逗子駅から京急バスで葉山大道経由衣笠駅行に乗り新沢バス停で下車。東に250mで信号があるので左折、川を渡ってすぐ突き当りを左折すると100mで右の路傍に石仏群がある。右は青面金剛合掌六臂で邪鬼が面白い。宝暦七年(1757)銘。あとの二基はどちらも阿弥陀如来の刻像に三猿のある庚申塔。中央の舟型には「キリーク奉信庚申待三座為現当二世安楽也 送故三界域悟故 十方空本来経興東西何処有南北 栗坪村 同行拾四人」銘があり、元禄四年(1691)建立。左の阿弥陀庚申も元禄六年(1693)で庚申信仰の濃さが伺える。

 


 

2.正吟の庚申塔群 葉山町上山口2354 

 

 バス通りの信号まで戻り、南へ和食処から少し登った突き当りの、右斜めに石仏が見える。庚申塔が六基ある。写真は左端の二基で左は面金剛合掌六臂だが、左上手はショケラを宙吊りしている。このスタイルが葉山町にいくつかある。右は青面金剛剣人六臂でショケラは左下手で身体の前に置く。どちらも邪鬼と三猿は変化に富んだ姿勢で魅力的。左が文政二年(1819)、右が文化十二年(1815)の造立で江戸文化の繁栄期である。

 


 

3.間門坂上路傍 葉山町上山口1980 

 

 バス通りの信号に戻り西へ700m湘南国際村入口信号を南へ坂を上ったあたりに右に入る細い道を行くとすぐ左の路傍に庚申塔が三基並んでいる。右端の笠付角柱の庚申塔は青面金剛の合掌六臂だが、これも左上手はショケラを宙吊りしている。ショケラは子供のように可愛い。また邪鬼は二匹で親子?夫婦?紀年銘は文化十二年亥十二月(1815)。他の二基はどちらも文字の庚申塔である。

 


 

4.富士タクシー東路傍 葉山町上山口1259

 

 湘南国際村入口信号まで戻り西へ300m富士タクシー手前、一段高くなった生垣の中に石仏が三基並んでいる。

 

右の駒型は明治十六年(1883)の馬頭観音。中央の舟型は青面金剛合掌六臂で鉾・宝輪、弓矢の一般的な持物だが三猿の両側は片手ザルである。碑面に「奉成就庚申講 正徳二壬辰年八月日」銘。(1712)左は駒型で中央に「青面金剛塔」の銘と三猿がある万延元年(1860)の庚申年の建立である。

 


 

5.唐木作の石仏群 葉山町上山口1391 

 

 西へ200mほど行くと滝の坂バス停がある。広場の西に小屋があり、その裏の細い道を30m路傍に庚申塔他が四基ある。写真は右端の笠付角柱の青面金剛六臂で持物は上手が矛と宝輪。中右手はショケラを宙吊りし、中左手は数珠か羂索のようだ。下手は弓矢である。碑面の縁部に銘文がある。「奉造立帝釈天王 上山口唐木作村同行二十二人 寛文十二壬子正月十三日」(1672)青面金剛と帝釈天が同一化されていたようである。中央の青面金剛合掌六臂は一猿でこのあたりでは珍しく文化七年銘(1810)である。

 


 

6.夜泣き石脇の石仏群 葉山町一色1196 

 

 滝の坂バス停から県道27号線をさらに西へ約1km一色小学校前の信号、北西の坂道を上ると坂の途中の右に石仏群が見える。右の舟型三猿塔は「種子ウーン奉造立山王供養所」延宝五丁巳天十二月吉日(1677)とあり山王信仰が色濃い地区でもある。左の青面金剛剣人六臂は明和九年(1772)銘で、邪鬼は青面金剛を頭に乗せ、スカートを付けたようで胸は乳房にもみえる。また向かって左の猿は左手に桃をかかえているようだ。三浦半島の庚申塔はユニークで構想力が光っている。