群馬県中之条町の石仏

1.石薬師 中之条町五反田222 

 中之条町の北部、県道35号線沿いにある「道の駅 たけやま」の西200m道路脇の木立の中に祠が見える。途中に嵩山33観音ハイキングコースの表登山入口がある。入口に「石薬師」の看板があり文字の庚申塔、角柱の如意輪観音、舟型の馬頭観音は可愛らしい。一番奥に自然石を丸く彫り窪めた中央に柄香炉らしきものを持つ聖徳太子像は厳粛な雰囲気が漂っている。台石に弘化四丁未三月二十二日(1847)の紀年銘がある。

 


 

2.林昌寺 中之条町伊勢町1002 

 

 中之条町の中心部にある。曹洞宗の寺院で戦国時代に真田幸隆の弟 矢部薩摩守頼綱によって再建され、沼田真田氏の保護下で寺勢を伸ばす。境内の枝垂桜の古木は町天然記念物で見事である。山門前両側に元禄六年(1793)の閻魔と奪衣婆が控え、境内にはたくさんの石仏がある。笠付角柱で三面に観音を刻んだ百番供養塔、これも笠付角柱で青面金剛像は正徳元年(1711)。写真は弁才天(元禄十六年・1703)を中心に大黒天と毘沙門天である。他に聖徳太子孝養像、身代わり地蔵、台石に物語を彫った宝篋印塔など見応えがある。

 


 

3.報徳折田神社 中之条町折田1170 

 

 中之条町から沢渡温泉に向かう国道353号線の北側にある。右の双体は酒器持ち肩抱型で古風な衣装、表情は控えめで落ち着いた雰囲気。天明六戌八月日(1786)銘。左は合掌と拱手で紀年銘は見当たらない。どちらも似通った双体像である。他には自然石の大きな角柱状の堅牢地神塔がある。

 


 

4.湯原路傍 中之条町湯原 

 

 沢渡温泉の1km手前の反下分岐にある。上部が欠損しているが丸彫りに近い深浮彫で、資料によると抱き合い道祖神となっている。男神、女神とも手と衣がどうなっているのか判断ができない複雑な像容が気にかかる。天保十二辛□年十一月(1841)の紀年銘がある。

 


 

5.中之条町六合支所 中之条町小雨511 

 

 支所の裏にあり田園に向いている。当地の小雨は中之条草津道に位置し、生活や交易道で、草津入湯客の往来と草津沢渡間運搬の継場で賑わった。馬が生活に大きくかかわり貴重な存在だった。愛馬の無事故、無病そして供養のために建立された。石組の基礎、三段の台石の上に蓮華座に座す丸彫の三面馬頭観音は円光背を持ち三眼六臂の厳しい表情で悪を戒めているようである。天保十二辛丑歳星十一月吉辰(1841)で町指定文化財に登録されている。

 


 

6.六合入山荷付場 中之条町入山4034付近 

 

 国道292号線から分かれて国道405号線に入ったすぐの左側にある。入口に「荷付場道祖神20m 観音堂20m寅さんバス停280m」の看板がある。手前に文字塔の馬頭観音が三基と四面に観音の刻像がある角柱の百番供養塔がある。その奥に屋根を設えて双体道祖神がある。上部に藤の房や花の模様があり、向かって右が女神、左が男神である。足の位置が交差しており少し微妙な肢体になっている。あとは現地で確認をされたし。天保十四年(1843)の建立。

 


 

7.百八十八観音 中之条町入山 

 

 品木ダムを見下ろす東側、道路脇の小高い斜面の三角地に並べられている。入山品木の山本梅右衛門が建立したもので町指定文化財。舟型で高さ50cmくらい四国、西国、秩父、坂東の百八十八観音像だが、現在は数が減ってしまい、像容も欠けたりしている。人里遠く離れたところにこれだけの石仏を建立するのは大変なことであろう、その思いが偲ばれる。