群馬県館林市の石仏

 

1.雲龍寺 館林市下早川田町1896 

 

 館林市の北西部で県道7号線渡良瀬大橋の西300m渡良瀬河縁にある。足尾鉱毒被害地の中央にあり、当寺が被害民たちの運動拠点だった。墓地には足尾鉱毒事件に生涯を捧げた田中正造翁の墓がある。石仏は、左の青面金剛は合掌で鉾と宝輪、弓矢を持ち、二鶏が日月のすぐ下にあるのが変わっている。元禄十年(1697)。右は顔が削られているようだ。持物は鉾と宝輪、羂索と宝剣、胸前は合掌でなく子供かショケラを抱いているように見える。年号は、寛とは読めるがあとは不明。他に六地蔵石幢がある。

 


 

2.大道寺 館林市本町2-4-11 

 

 東武伊勢崎線舘林駅の東400mにある浄土宗のお寺。入口に「田山花袋算術の師戸泉鋼作ゆかりの寺」とある。参道右に地蔵二基、庚申塔二基など六基がある。墓地にこの丸彫の地蔵坐像があった。台石に「奉納大乗妙典六十六部」とあるが、敷茄子に四角い枠取りをして梅の枝をバックに中国人風の子供が三人彫られている。後補なのか判別できない。なお入口にあった庚申塔は二基とも三猿が削られておりなぜか疑問が湧く。

 


 

3.源清寺 館林市高根町109-1 

 

 参道を進むと境内手前に地蔵坐像と並んで隅丸型の十三仏塔がある。最上部中心に虚空蔵菩薩、五段に32323で右下に不動明王を半肉彫してある。右面には「南無阿弥陀佛」の名号。左面には施主や供養者の法名がある。台石に「十三仏」とあり嘉永四辛亥年二月吉日(1851)銘。このように一石に十三仏を彫ってあるのはすくない。

 


 

4.大谷休泊墓所 館林市北成島町693 

 

 7イレンブン多々良沼店の向かいにある。大谷休泊は戦国時代の人で東毛地方の灌漑、水田開発、植林事業に力を入れ、渡良瀬川から取水し十数年の苦心の末、休泊堀を完成させ33ケ村1000haを潤した。墓は県指定史跡となっている。公園のようになったところに青面金剛、地蔵、十九夜塔などの石仏が集められている。覆屋の中にやや俯き加減で控えめな表情の丸彫十一面観音坐像があった。前掛けを外すと胸前に虫の巣跡があり、せっかくの綺麗な像容が汚れて残念である。

 


 

5.高源寺 邑楽町狸塚457 

 

 館林市隣接する邑楽町の国道354号線のすぐ南にある。分福茶釜で有名な茂林寺の末寺で山門入口に狸が置かれている。境内の墓地との境に石仏が並んでいる。不動明王はこの立像ともうひとつ坐像があり、光背のカルラ炎のデザインが目を引いた。他に「十九夜念佛供養」とある舟型の如意輪観音像は円頭光背があり洗練された彫刻である。

 


 

  また並びにある舟型の観音立像は蓮の茎を手に持ち聖観音と見たが、碑面の右に「馬頭観世音」とある。宝冠にも宝馬はない。馬が彫られていない馬頭観音である。紀年銘は見当たらない。