東京都足立区竹ノ塚駅周辺の石仏

 

1.善福寺 草加市瀬崎2-37 

 

 東武伊勢崎線竹ノ塚駅のひとつ先、谷塚駅で降り、東へ150mほどに善福寺がある。山門前の寺号塔横に三基の石仏が並んでいる。右側は合掌六臂の青面金剛で二童子が両側にいる。「奉造立庚申青面金剛像」とあり正徳三癸巳八月吉祥日(1713)の銘。三猿の浮彫がある大きな台座もあるが青面金剛、童子、猿のすべてのお顔が削られたようにのっぺらぼうである。中央にある元禄四年(1691)の剣人持ち六臂の青面金剛も同じようにのっぺらぼう、作為が気になる石仏である。

 


 

2.正覚寺 足立区花畑3-24 

 

 草加市は埼玉県なので南に県境の毛長川を越えて足立区に入る。区教育委員会が設置した説明板にあるように希少な江戸初期の石造物三基が覆屋の下に安置されている。中央の板碑は庚申塔で上部に見にくいが線彫りで阿弥陀三尊が極楽浄土から来迎する様子の画像である。その下に「奉待庚申供養成就所 現世安穏後生善生 元和玖芖年三月十二日」(1623)とある。右側の舟型は阿弥陀如来立像であるが「庚申供養二世安楽所 元禄十年丑七月朔日」(1697)の銘がある貴重な庚申塔である。他は五輪塔と百番供養などがある。

 


 

3.東善寺 足立区花畑3020 

 

 時宗のお寺で南北朝時代の14世紀中ごろに伊興応現寺三世住職の三阿弥陀仏上人が開山したという。無縁塔群のまえに庚申塔が二基ある。左の駒形には怒髪が天に伸びるような合掌六臂の青面金剛で邪鬼を踏み二鶏、三猿がいる。銘文は「奉納西國秩父坂東念願成就 天明三癸卯年二月吉日」(1783)とあり百観音巡りの成就を記念に建立したようである。もう一基の板碑は文字が摩滅して読みずらいが承応三年(1654)の庚申塔である。

 


 

4.西光寺 足立区保木間4-38 

 

 浄土宗のお寺で成田山の参詣道に面し、当寺は休憩所として賑わったという。不動堂の不動明王は平安時代の高僧智証大師作と伝えられる。また本堂の阿弥陀如来は運慶作といわれている。道路と塀の間、つつじが咲く後ろに不動明王を彫った角柱の道標がある。「成田山ヨリ十六里」とあり、萬延元年(1860)に建立された。境内には元禄九年銘(1696)の青面金剛庚申塔もある。

 


 

5.玉蔵院 足立区保木間4-29 

 

 正光寺のすぐ西にある真言宗のお寺。室町前期の文明18年の創建という。参道と墓地との境にコンクリートで立派な基壇が設えてある。一体の大きな地蔵立像の左右に三体づつ六地蔵が並んでいる。これは寛延二年(1749)の建立。その並びの右端に写真の庚申塔がある。剣人持ちで六臂の青面金剛は邪鬼の頭に右足を乗せ少し前に踏み込んでいる。三猿は外側の猿が中央に向かって横向きになっている寛政九年十一月吉日(1793)銘。

 


 

6.大乗院 足立区保木間2-14 

 

 真義真言宗のお寺で平安時代に創建されたと伝えられる。毎年一月七日に行われる「じんかんなわ祭」はワラで10メートル近い蛇を編み、枝に架けるのは五穀豊穣と無病息災を祈願する伝統行事である。石仏は二基の庚申塔と普門品供養塔がある。左は明和二年(1766)造立の青面金剛で庚申塔が爛熟した時期のものである。右は板碑型で「奉庚申供養二世安楽所」とある三猿を伴う文字塔。この三猿も目や鼻が削られたようなお顔で気ががりな庚申塔である。

 


 

7.保木間氷川神社 足立区西保木間1-11 

 

 保木間の地名は平安期に西国の武士が木の柵を設け田畑を起こしたことによると伝えられる。参道奥の木立の間に簡単な覆屋を設え、天宇須女尊立像が安置されている。石材が悪いのか像の一部に剥落があり残念だ。「天の岩戸神話」で天照大神が岩戸に隠れてしまい世の中が暗闇になった・その時にこの天宇須女尊が胸をあらわに踊り狂い、岩戸を開けさせた。この像は両手で乳房を持って、神話を再現したものである。数十年前に氏子や篤志家が奉納したとある。