群馬県高崎市東部の石仏巡り(1)

1.安楽寺 高崎市上大類町

今回は高崎市内を廻るがすべて数キロの範囲内で、寺社は所在確認が容易なので、道路案内は省略する。境内に入ると立派な角柱の如意輪観音が目に付く。基壇から基礎、敷茄子、蓮弁台座まで豪華なもので、刻像の如意輪も基礎、敷茄子、蓮弁台座付で、また彫りも美しく文久二年(1862)の紀年銘。その奥に丸彫りの大黒天立像と宝篋印塔が並んでいる。大黒天は横長のゆったりとした体躯で、表情も落ち着きを感じさせる。延享元甲子年仲冬廿七日銘。(1744)台石に大黒天の真言や功徳などが書かれている。石工清水彦之亟は高遠石工であろう。

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2.徳蔵寺 高崎市萩原町甲

門を入ると左に六地蔵、右に石仏群が並んでいる。石仏群は約20数基ほどで色々。双体道祖神は男神が蓮の葉を持ち、女神は徳利を持つ。「奉造立道祖神 享保十六天□□」(1731)。 舟型の馬頭観音は二基あるが円頭光背のある合掌像が面白い。他に丸彫り坐像の子育て地蔵や少し摩耗が進んだ青面金剛は四臂で二鶏、二猿、邪鬼があり造立は元禄十五歳九月吉日」(1731)。本堂裏に無縁塔があり、その一角に像容の良い如意輪観音があったので写真に入れる。

 


3.元島名町将軍塚島名神社 高崎市元島名町  将軍塚古墳は4世紀後半の築造で、人骨や副葬品が出土し東京国立博物館に所蔵。将軍塚の一角にある島名神社参道左の建物前に数基の石仏が並んでいる。中央の角柱は女神の蚕神で衣笠明神です。桑の葉を両手で持ち、船に乗っています。船の下は波浪紋が描かれている。女神は蚕を育てる田舎の娘のような姿。明治十九年の建立。左の如意輪観音は享和三年(1803)建立。他に舟型の青面金剛は六臂、二鶏、二猿で享保十六年(1731)。

 


4.中島町公民館東路傍 高崎市中島町548 

公民館に看板が掲載され「中島町遺跡調査事業の会」があり20名の方が活動され、公民館角の石仏群には解説が書かれて大切に保存されている。写真の右は馬頭観音で文化二年(1803)造立。中央の不動明王は年代不明。周りには肩組手握の双体道祖神。大きな小屋に入っている聖観音立像。「華地蔵の微笑」とある詩の書かれた基壇上に並んでいる石仏群は大日如来、聖観音、庚申塔など。

 

 

 


5.慈眼寺 高崎市下滝川町19

山門を入ると広い境内に近年の製作であろう金剛界大日如来と仁王一対が出迎えてくれる。本堂前に聳える宝篋印塔は明和七年(1770)銘で信州高遠石工田中忠左衛門、赤羽三右衛門とある。奥のお堂前に燈籠が一対あるが、良く見ると「奉造立庚申供養所願成就所 元禄六癸酉天十月大吉日」(1693)とある。右の燈籠の中台には一猿、左の燈籠の中台に二猿が彫られている。また大部分が自然石の文字で彫られた百庚申がある。

 

 

 


6.馬頭観音堂 高崎市大類町577

この柳原馬頭観音堂は正面、奥行とも三間で三間堂というそうです。建物には龍が巻き付いた海老紅梁など見事な彫刻が施されています。右から今まで何度もあった角柱の如意輪観音は寛政十一年未十一月吉日(1799)。次はどっしりと坐る丸彫の十一面観音で臀部のふくらみがすごい。そして角柱の青面金剛庚申塔は三猿で、鶏がない。建立は享保七年壬寅十月吉辰(1722 

 


中央の三面六臂の馬頭観音はバランスが取れ造りも丁寧で秀作である。天明六丙午年七月吉祥日(1780)。他に双体道祖神二基、庚申塔などもあるが、境内の端に水が枯れた池があり、その中央の丘に石祠がある。

 

弁才天石宮で屋根に蛇を陽刻し、左右側面に雲の飾り彫りがあるので見落さないように。