兵庫県姫路市周辺の石仏

 

1.八家地蔵 姫路市的形町福泊498 

 

 姫路市の南東部、海に面して小赤壁公園があり、その東の突端に地蔵堂がある。江戸時代の『播磨名所巡覧図絵』に載せられ子育地蔵としても有名。大きな地蔵堂で扉は鍵がかかっているが写真の撮影はできる。中央に左足を踏み下げた半跏像の地蔵は堂々とした体躯である。全高は光背を含めて225cmの一石彫りで推定鎌倉中期の優品。堂内には阿弥陀如来、不動三尊、聖観音などが周辺に安置されている。

 


 

2.福円寺 姫路市的形町福泊260 

 

 本堂の横に西国三十三所霊場巡りの案内板がある。霊場巡りの初めの方に不動堂がある。そこに高さ159cm、幅83cmの堂々たる彫りの不動三尊がある。市指定文化財で不動三尊が彫刻された石棺仏としては播磨では唯一という。説明文が添えられ、「神宮寺中興在□□十余年 法華経五百部地蔵本□経一字一石書写 権大僧都法印英忠滅罪生善」の銘文がある。霊場巡りの順路で墓地の前にある善光寺三尊は下部に神像二体を彫った珍しい石仏である。

 


 

3.真禅寺 姫路市別所町北宿255 

 

 家型石棺の蓋石の内面に阿弥陀如来坐像を彫刻する。上部に帯状の庇のようなものを作り他では例がないという。市指定文化財で説明文によると鎌倉後期の「文永二年乙丑十一月十日」(1265)の銘があり、在銘の石棺仏の最古とある。また墓地に無銘だが定印の阿弥陀如来の石棺仏があり室町期の作と推定されている。

 


 

4.国分寺 姫路市御国野町国分寺 

 

 境内にたくさんの石仏があり特に元禄二年(1689)の五智如来坐像は大きくて立派である。ここは空海が橋の下で野宿をした伝説のある「十夜橋大師」を取り上げる。愛媛県大洲市にある別格霊場8番で、空腹や寒さで一夜の野宿が十日と思うほど長く感じられ「行き悩む浮世の人を渡さずば 一夜も十夜の橋とおもほゆ」という歌を詠んだという。光背に橋と松が描かれ横になる寝姿の弘法大師が彫られている。昭和十二年九月の建立。

 


 

5.正明寺 姫路市五軒邸2-88 

 

 正明寺は康治年間(114244)に天台宗の念佛三昧道場として播磨国府(国衙)内に創建されたと見られ後嵯峨法皇の菩提所となった。板碑は高さ212cmと大きく県指定文化財である。明治九年に姫山(姫路城内)の土中から発見され、ここに移された。正面上部に舟型の輪郭を彫り阿弥陀坐像を浮彫。膝下に蓮華座と台付香炉。蓮華座下に銘文がある。「右造立供養為者有縁無縁法界衆生平等利益故也 貞和二年歳次丙戌五月九日一結衆敬白」(1346

 


 

6.三枝の板碑群 姫路市夢前町前の荘1643

 

 姫路市東部にある塩田温泉のある県道67号線を北上し中国高速を過ぎ約1キロ付近で407号線を東へ行くと左側にある。「至徳地蔵尊」の石標が立っており、覆屋の中に板碑が四基並んでいる。南北朝に造られたもので総高148cmで碑の上部が三角形で蓮台にのり錫杖と宝珠を持つ地蔵立像が薄肉彫りされている。銘文に「一見仏身示除衆罪敬白 至徳三年十二月」(1386)とある。四基とも風化が進み刻像や銘文の判読が難しい。

 

 

 


 

7.千体地蔵 姫路市夢前町塚本225-1 

 

 県道80号線にある菅野サービスセンターのすぐ北にある。道路沿いに瓦ぶきの小さなお堂がある。扉は開けられており、中央に高さ110cm巾87cmの平らな石の中央に高さ51cmの地蔵立像が浅浮彫されている。良く見るとその周囲には高さ4cmの小さな地蔵が一列に約50体を20段に線刻されている。背面に「南無地蔵大菩薩千体 現世安穏後生善処祈攸也 善阿也 元和六年庚申九月吉日」(1620)とあるとのこと。千体地蔵は色々と存在するが一石千体は珍しい。

 


 

8.觜崎磨崖仏 たつの市新宮町觜崎 

 

 揖保川東岸にある觜崎橋北の岩壁に彫られている。高さ20m幅50mの屏風岩に舟型光背の地蔵立像が彫られている。岩の大きさのわりに地蔵像は133cmと小さく、地蔵は沓を履いている。石の周囲に穴が開けられているのは彫る時の足場組であろうか。「右志逆善回向藤原□□建之」文和三年十月廿四日(1354)と南北朝の建立である。すこし先の岩壁にも小さな四体の地蔵尊が彫られている。